2019/11/16 16:22

皆さんは革靴のお手入れをされていますか?



革靴はお手入れする事で永く綺麗に履いていただけます。

本日紹介するアメリカの中古革靴を使ってお手入れも紹介させていただきます。



メーカーはWEYENBERGで70年代ごろのものになります。

アメリカ古靴好きな方でもあまり聞きなれないメーカーです。


1892年にW.R.P.Shoe Companyとして設立され、1906年にWeyenberg Shoe Manufacturing Company.となったウェインバーグ。

現在ブランドは消滅していますが会社は名前を変えWeyco Groupとしてフローシャイムなど一流ブランドを傘下に持つ大きなグループ会社になっています。


本日はこちらをお手入れしていきます。



今はアメリカで購入したままの姿です。

アメリカはとにかく靴クリームをたっぷり塗り重ねている事が多いです。

まずはこの靴クリームを出来るだけ取り除きます。


ここで勘違いして欲しくないのはブラッシング=お手入れではありません。

ブラッシングではホコリを落とす程度で靴クリームなどは全く落とせません。


汚れを落とすには専用の汚れ落としがあるのでそちらを使用します。

(各メーカーから出ていますが革や状態に合わせて選んで下さい)



左足(画像右)が汚れ落とし後です。
艶がなくなりマットになっています。


ウェス(生地)を使って汚れを取るのですが、片足でこれだけ取れました。

靴クリームにはロウ成分が含まれています。
このロウ成分が革の毛穴に埋まり凸凹がフラットになる=光が反射して靴に艶が生まれます。
言い換えれば、艶があるということは栄養が入った靴クリームを塗っても革の内部に浸透していかないという事です。

一見艶があって綺麗に見える革靴も内部は乾燥が進み、最終的に亀裂が生じやすくなります。
ソールは修理できても革の亀裂は修理できません。


ついでにウェルト部分(靴の周りをぐるっと一周している部分)も綺麗にします。

ここには泥や靴クリームなどが溜まっている事が多く、意外と汚れが詰まっています。


次に保湿クリームを革に入れていきます。

この保湿クリームにはロウ成分が含まれていないので、毛穴から革の奥へ奥へと浸透していきます。

この保湿はお手入れの度にやる必要は無く、「革が乾燥してきたな」と思われた時にして下さい。



保湿クリーム塗布後

ロウ成分が入っていない保湿クリームですのでツヤは出ません。
ただ触ると”モッチリ感”を感じます。


次に靴クリームを入れます。


現在靴クリームはかなり沢山の種類が販売されているので迷われるかもしれません。

メーカーごとに考えも違うので、大まかですが~1,000円に比べ1,000円~は天然成分が多いのでより栄養分が多く革に良い。とお考えください。

ただし~1,000円だからといって良くない訳ではなく、上記のお手入れをしていれば靴は長持ちします。

ツヤの出方も安いからといって出ない訳でも無くメーカーそれぞれです。




左足(画像右)が靴クリーム→ブラッシング後になります。
表面のツヤだけでなく革の内部まで栄養が浸透しているので永く履く事が出来ます。





両足のお手入れが終わりました。
好みによっては更に爪先を光らせたり(ポリッシュ)して革靴を楽しんで下さい。


ホテルの受付の方にお話を伺った時に、「まず靴と時計を見てしまう」そうです。
スーツがビシッとして時計も良いものなのに靴が、、という事が多いそうです。

飲食店でも靴を脱ぐことが多いので、意外と靴が目に触れる機会は多いです。



当店では全ての革靴をお手入れしてから店頭に出しております。
お手入れに関しての疑問がございましたらお気軽にご相談ください。